コロナウイルス感染拡大に寄せて

2020.4.14

皆様、お元気でいらっしゃいますか?

 

 コロナウィルスの感染拡大と共に政府も緊急事態宣言を発令し、外出自粛や休業要請など今まで経験したことのない世界的な災禍を今こうして生きているときに経験するとは思いもしませんでした。

 

世間では、政府の対策に対する非難や自分勝手な行動をする方々への非難など、毎日のようにニュースやネット上をにぎわせています。

今まで地震や水害など様々な試練を経験してきた私達ですが、ある限定された地域の災害に対しては、「みんなで応援しよう」「協力しよう」という状況になり易かったし、実際はそのような心ある方が中心となって取り組んでいただけでも、何とか問題収集の一助になれたのだと思います。

しかし、今回のコロナウィルスは何が違うかと言えば、全国、全世界的な問題となっており目に見えないウィルスの感染は誰にでも等しく襲い掛かり、全ての人が当事者となりえる状況だということです。

だからこそ、今まで隠れていた問題や課題まで浮き彫りにされているように思います。

ただただ、不平や批判を繰り返したり、相手(政府や周りの環境)のせいにする人。自己中心の思いで行動する人。家庭で自粛となれば、家庭内で夫婦での葛藤や争いが生じて家庭内暴力や離婚問題へと発展するなど、普段は仕事をし、夫がが家にいないから、気づかなかっただけで、元々家庭の中に潜んでいた課題が浮き彫りになっただけなのかもしれません。

2011年3.11の災害の時も普段は喧嘩をしていた夫婦が、伴侶の死を通じ「生きていてほしかった」と泣き崩れる姿をテレビで見ました。各地で輪番停電の暗闇の中で普段は面と向かって話ができなかった親子が暗闇の中で話ができてうれしかった。という話もたくさん聞きました。CMでは「心は見えないけれど心遣いは見える」と繰り返し流され、今、何が大切なのかを深く考えさせられる時間でした。

その年の一年を象徴する漢字に「絆」が選ばれるなど、誰もが家族の大切さや愛する人と、今、どう向き合い、瞬間瞬間の大切さを強く感じたはずです。

おそらく現在は、その時より以上に大変な難しい環境や状況になって来るに違いありません。

TVやマスコミでの放送する内容も本当によくよく考えて放送して欲しいですね。批判や不平を毎日見ていたら、心がすさんできます。それよりも3.11の時のように国民みんなが協力し合えるよう、心を一つにして国難を越えていけるような方向へとリードしていける良心基準の高いマスメディアであってほしいと思います。

また、各家庭においても過去の災害での教訓を生かしましょう。過去、教えてくれたのは愛する人を失ったとき、必ず後悔するのは「もっと愛しておけばよかった」「もっと話がしたかった」「感謝の言葉を伝えられなかった」など、当たり前のように過ごしている日常の中で、居て当たり前ではないことに、失って初めて気づくことが、余りにも多いのです。

コロナで亡くなる方々のご家族は、亡骸にしがみつくこともできず、骨壺だけが寂しく帰宅する様子を見た時、最後に言葉もかけてあげられない寂しさや虚しさを痛感せざる得ない事でしょう。だからこそ、「家で過ごそう」「Stay at home」と言われているこの時に、喧嘩ではなく、与えられたこの時間に感謝してお互いに向き合い、優しい言葉をかけ合いながら、許し、愛し、一つになることができたら、家庭が「天国の花園」のようになるでしょう。

夫婦・親子・兄弟が一つになり助け合って、それが地域社会に拡大していく事がとても大切なことに思えます。

 

2020年は「庚(かのえ)」の年です。「庚は更に通ず」と言って更新やモノ改まるという意味があります。過去を悔い改め改める年と考えてもいいでしょう。それができないときは、次に来るのは「辛(かのと)」の年です。

「辛(かのと)」は辛いという字ですが2011年も辛の年でした。切るという意味がありますので、今こそ過去の教訓を生かして私たちの心、夫婦、家族の関係性を変えていかなければならない時であると思います。

 

コロナウィルスによってソーシャルディスタンスが叫ばれ、距離を置き離れるように外的な環境要請はありますが、一番怖いのは、そのことを通じて【心の距離】が離れること、バラバラになることが一番怖いのかもしれません。

環境は離れていたとしても、心が一つに繋がっていたとしたら、国難ともいえるコロナ終息後も早期の復興が出来ることでしょう。しかし、心がバラバラになったとしたなら心の修復はとてつもなく時間がかかる作業になるかもしれません。

 

今、この瞬間も医療に従事する方々は、命の最前線でまさに命がけの闘いをしてくださっています。その方々が守られるように祈ってやみません。そして一人でも感染者を押さえることができるように、皆が意識と関心をもって、正しく行動をすることができるよう努力していきたいものです。

 

今日もお元気でお過ごしください。